【島根県雲南市】島根県の新しい酒蔵!奥出雲前綿屋/田部竹下酒造さんへ

田部竹下酒造

竹下登元総理やDAIGOさんの実家でもある酒蔵「竹下本店」さん。2022年に竹下本店さんから事業継承し、新しく濱崎杜氏をお迎えして誕生した酒蔵「田部竹下酒造」さんに、蔵見学をさせて頂きました!新しい蔵と言っても、設備や蔵で働く方々は、竹下本店さんからそのまま引き継いでいます。

2年後には隣接する敷地に新しく蔵を立てる計画ですので、新蔵ができる前、1866年から続いていた竹下本店の伝統を見れるのは今しかない!ということで蔵に伺いお話を聞かせて頂きました(^^♪

蔵は島根県の山中、かつてはたたら製鉄が有名だった雲南市にあります(^^)/


今回は広島県に前泊し、朝トヨタレンタカーで車を借りて向かいました(*^▽^*)

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

深い緑の山中を走ること約2時間で蔵に到着!(^^)! 島根県の松江からだと車で1時間ほどだそうです(^^)/

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

酒蔵の一部は資料館「掛合酒蔵資料館(かけやさかぐらしりょうかん)」になっていて、資料館の駐車場に車を停めさせて頂きました。

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

先代、竹下本店の蔵元の奥さまにご挨拶させて頂き、濱崎杜氏に蔵の中をご案内頂きましたm(__)m 夏で酒造りをしていない状態の写真ですが、造りの順にご紹介をさせてください(^^)/

原料となるお米はウッドソンという洗米機で、少しずつ丁寧に洗米します(^^♪

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

写真真ん中の甑(こしき)で米を蒸し上げます。

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

蒸しあがった米は、資料館を挟んで反対側にある麹室へ。

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

麹は全て手作り!写真右側の床に蒸米を引き込んで麹菌を振ります。外で放冷をすると水分が付着してしまうため、蒸し上がりのまま、他の菌が付かないうちに手早く麹菌を振るそうです(^^)/

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

手造りの箱で麹を造ります。箱に盛る時の温度は33度。35度前後でアミノ酸生成酵素が多く出るので、アミノ酸を減らすため35度を早くに通り過ぎるよう温度管理をしているそうです( ..)φ アミノ酸は旨みであると共に雑味の元にもなるため、酒米にアミノ酸の少ない春陽を使うことと合わせ、「雑味少なく、旨さもあり抜けの良い綺麗な酒」を造ろうとしているのだと感じました(^^)/

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

初年度はドリルで穴をあけて調整するなど試行錯誤の中で麹造りをしていたそうです。濱崎杜氏のモットーは「麹造りは手触りで出来の良さがわかること」。自分はもとより、蔵人全員が麹を目で見て手で触って、仕上げていきます。

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

設備が老朽化し火災などの心配があったため、パネルヒーターを新しく導入しました。麹が完成し室から出る(出麹)までの時間は約46時間。時間はやや短いが最高温度の時間が長いのが特徴とのことです(^^)/

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

酒母は中温速醸という方法で造ります。酒母タンクはホースを巻いた手作りの装置で冷却、外を回る水を桶で温めることで暖気入れ(だきいれ)もできるようになっています(^^♪

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

初年度の製造石数は約80石(一升瓶で8000本ほど)。5本のタンクで毎週1本、16タンクを仕込んだそうです。1タンクの仕込み量は500kgと少しずつ仕込みをします!(^^)!

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

旧竹下本店時代から使っている年代物の槽(酒をしぼる道具)!なかなか見たことが無いタイプで、当初は故障していて、本当に搾れるのか不安だったそうです。雑味が出ないよう、あまり圧をかけずに搾るため、粕歩合が高く、その分ピュアで綺麗な酒質につながっています!(^^)!

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

濱崎杜氏は「搾ったところから口に入るまでが酒造りで最も重要」と考え、搾った後の工程を素早く丁寧に行います。特に火入れは温度ムラがなくできるように、ヒートリーダーで瓶燗火入れをしています。手間はかかりますが、均一に素早く良い火入れができるだけでなく、水が循環することで、一度温めた熱を次の火入れでも再利用できるエコな仕組みになっているそうです!(^^)!

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

ちなみに、瓶詰、火入れは蔵の隣の建物。元々は銀行だった設備とのことで、昔のドラマで見たことがあるような、めずらしいつくりの建物でした。

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

蔵の中心部は酒蔵資料館になっていて、

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

竹下本店で使っていたいろいろな道具が飾られ、販売所や、休憩ができるスペースもありました!

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

こんな立て看板を見て頭上に目を向けると、

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

想像以上に立派で長い梁(はり)があります!そもそも立てられるまでに相当の樹齢を重ねた木だったと思いますし、蔵の建造時、おそらくたくさんの人の力で上げたのだと思います。

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

資料館は市の持ち物になっているそうで、酒蔵ですが他の蔵の酒も紹介するというめずらしい展示もありました(販売はしていません。)

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

続いて蔵の外へ。蒸した米の蒸気を逃す煙突の奥には、竹林の山が広がります。(この山があったから「竹下」さんなのかもしれません。)

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

煙突は気持ち右に傾斜しているような気も。。

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

そして蔵の隣接地に、新蔵を建設する計画でいます(^^♪ 写真の重機の場所で2つめの井戸を掘っていて、翌日に酒造りに向く水か、水質検査をするとのことでした(^^)/ 水量も重要らしく、写真左のビニールシートの箇所に掘った1つ目の井戸は水量が少なく、今回の2つめの井戸は十分な水量とのこと。2つの井戸は距離にして数10mですが、水脈が違うのだそうです!

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

同じく蔵の敷地内には、竹下家のルーツである竹下登元総理大臣の展示館もあります(^^)/ 2022年の事業継承までは、竹下登元総理、竹下亘元大臣の実弟である竹下三郎さんが、竹下本店の蔵元を務められていました。

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

何枚か書かれた「平成」の書の一つや、アメリカ大統領からの頂きものなど、貴重なものが展示されています(*’▽’)

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

竹下登元総理と、孫のDAIGOさんの昔の写真も飾られていました(^^♪

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

竹下家のルーツを教えて頂いた後は、事業継承をした田部家(たなべけ)のルーツも教えて頂くため、田部家の本家(本社)へ。かつては大規模な「たたら製鉄」を行っていた家です。もののけ姫でアシタカが訪れ「たたたら場」は、この地に合ったそうです(*’▽’)

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

田部家は室町時代1460年から始まり、戦国時代に和歌山からこの地に移動してきました。豊かな自然と砂鉄があったため、たたら製鉄を起こし、全盛期は国内の約9割の鉄を製造していたそうです!島根県知事や国会議員も輩出するなど、地元では知らない人はいない家。現在は25代目の当主で、製鉄以外の事業を展開しているそうです(^^)/

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

毎年年末に行われる田部家独特の餅つきの様子。たくさんの人を招いて、百日紅の木で突いていくのだそうです!

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

酒造りの想いに加え、蔵の歴史(竹下家)、蔵のある地域の歴史(田部家)など、たくさんのことを教えて頂きました(^^♪

これからも益々楽しみな田部竹下酒造さん!今後もお勧めのお酒としてご紹介をさせて頂きたいと思います(^^)/

酒蔵情報

会社名 田部竹下酒造(たなべたけしたしゅぞう)
創立 2022年6月14日
代表取締役 大野幸三
所在地 島根県雲南市掛合町掛合955-5
TEL 0854-62-9880
FAX 0854-62-9881
HP https://www.tanabe-takeshita.com/

おまけ1
お昼に出雲そばを食べに連れて行って頂きました!そばは3段になっていて、上の段で残ったつゆと薬味を下の段に移しながら食べるのが作法だそうです(^^)/

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造
写真の向きが反対でした(^^;

おまけ2
帰りに近くの道の駅「たたらば壱番地」に寄りました!たくさんの燕の巣があったりと、自然豊かな道の駅で、ふと足元を見るとクワガタがいました(*^^*)

奥出雲前綿屋/田部竹下酒造

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