01. 日本酒の表示区分

吟醸酒
純米酒・本醸造の造りをした清酒のうち、精米歩合60%兆以下の高精白米を使用し、原料米も農産物検査法による1等から3等までのものを使用し、吟醸造りをした清酒に限りこの表示が出来ます。
*吟醸造りとは、高精白米を使用するほか、極端な低温発酵と高い粕歩合など高度の技術を要求されるものです。酒質は吟醸香という果物を思わせる独特の芳香を持ち、味は淡麗で丸みとなめらかさが決め手です。


純米酒
米と米麹と水から造られた清酒です。醸造用アルコールを加えたり、醸造用糖類を加えたりして、味の調整をしませんので、原料米の品種や精米歩合・造り方・気象条件などにより、味に個性的な特徴がよくでます。また大量生産が出来ませんので、生産量も限られています。
*表示基準においては、精米歩合70%以下の白米を使用することとされています。又清酒の原料米は、農産物検査法による1等から3等親格を使用することとなっています。


本醸造酒
もろみの最終段階で、醸造用アルコールの添加量を「白米の重量の10%(95%アルコールの重量)を越えないものに限る」とされています。加えるアルコールの量がわずかですので、蔵元は純米酒と共に神経を使う清酒といえます。
*本醸造酒は、酒質・価格・生産量からみて、高品質酒の主力になると思われます。
*純米酒と同様、味・価格にバラツキがありますので、流通業者としても取扱には吟味が必要です。

普通酒
吟醸酒・純米酒・本醸造酒等(特定名称清酒)以外の清酒が通常普通酒と呼ばれているもので、数量的には現在市販されている清酒の主流をなすものです。
(1)普通アル添酒(糖類無添加酒)
醸造用アルコールの添加量が、白米の重量の10%(95%アルコールの重量)以上の清酒か、原料米が3等米以外の米を使用した清酒です。原材料の表示は「米・米麹・醸造用アルコール」です。
(2)普通アル添酒と増醸酒のブレンド酒
醸造用糖類を添加した酒とブレンドした清酒原材料の表示は「米・米麹・醸造用アルコール・醸造用糖類」です。
*この清酒は、味の調合を醸造用に認められた糖類等を添加しておこなった清酒(増醸酒)か、又はブレンドした清酒です。糖類等が調合されているか、いないかの判定は、原材料表示の中に「醸造用糖類」の文字のあるなしで判定します。今はほとんど造られません。

原 酒
もろみを搾り清酒となってから(上槽液)水を加えない酒にこの表示をします。普通は、18~20度のアルコール度数ですが、造り方によってはそれ以下12度位までの清酒も出来ます。
*アルコール分の高い原酒では、味が非常に濃醇になりがちなので、オンザロック向きの清酒といえます。氷の量や溶け具合によりアルコール度数が異なり、味のバランスがくずれやすく、飲み方の難しい酒です。
*吟醸原酒の場合、氷の塊に一口で飲めるだけの清酒を入れ、一度に飲む味は格別です。


生酒(なまさけ)
しぼり上がった酒を出荷段階まで一切加熱処理をしない清酒を生酒といいます。加熱殺菌されていないので、酵素が活性状態で残っています。即ち生のまま貯蔵し、生のまま瓶詰めし、生のまま流通させたものですから、貯蔵・流通中に成分の変化がおこりやすく、新鮮な風味はありますが、通常取扱いには低温保管など充分な注意が必要です。最近では、精密な濾過技術が発達し、生酒のままで酵素を完全に除去する方法も開発されましたので、常温流通の生酒も発売されています