【香川県綾川町】事業継承からの地元回帰!綾菊/主基のさとを造る、綾菊酒造さんへ行ってきました!
日本で一番小さい県「香川県」で、銘柄「綾菊/主基のさと」を造る綾菊酒造さんに蔵見学をさせて頂きました(^^)/ 創業は1790年、近年は先代杜氏で「現代の名工」を受賞した国重弘明杜氏の元、地元だけでなく、全国鑑評会でも受賞するなど、全国的にも評価される酒を造っていました。その一方で、蔵は後継者不在、社員の高齢化、売上の減少などの経営課題を抱え、事業継承先を探していました。そして2014年、酒類卸を営む関西の(株)飯田さんに全株式を譲渡し、新生綾菊酒造がスタートしました!
事業継承後の代表に就任したのが、いつも仲良くさせて頂いている岸本健治社長!継承時に従業員、設備、銘柄「綾菊、国重」など、歴史と伝統を引き継ぎ、今後に継続させるという難しい仕事を託されました。当初は「よそ者が来た」「大阪から金儲けに来た」など言われることがあったそうです。しかし「外から来たからこそ綾川町の魅力がわかる」と、綾川町でのオオセト米の栽培再開、地元雇用の継続、全国区の旨さを造るための設備投資、など、外から来た分、より、地元綾川町を大切に考えた蔵経営をしています!
若松屋酒店は不思議なご縁で2018年に岸本社長と知り合い、2021年から取り扱いをさせて頂いています(^^♪ コロナ禍でなかなか訪問できなかったのですが、今回ようやく蔵にお邪魔することができました!
蔵は高松駅から車で約40分、讃岐うどんの名店も多い、綾川町にあります(^^)/
岡山駅からマリンライナーで瀬戸大橋を渡り、高松駅に到着。駅がかわいい顔になっていました(*^▽^*) この日は岸本社長に駅に迎えに来て頂きましたm(__)m
蔵に行く前に、蔵のある綾川町のオオセトの圃場に連れて行って頂きました!古くから酒造り用の米を育てている田んぼでしたが、一時は酒の製造量も減ってしまっていたため、酒米ではなく食用米を造っていました。事業継承をした2014年当時は酒造り用の米を県内の他地域から買っており、岸本社長には「折角の米処なのに、地元の米を使わないのは如何ともしがたい」との想いがありました。そこで2017年に地元の農業法人と一緒に酒米「オオセト」の栽培を再開、今では地元の米を使った酒造りに原点回帰を果たしました(^^)/
田んぼは山と綾川の間、水はけが良い砂地の土壌、約300mに渡って広がります。これだけの距離ですが、山側と川側の田んぼではお米の出来が大きく変わるそうです!川側の方が酒造りに適した米ができるため、大吟醸など高精米の酒造りに使われるそうです。
川側の田んぼは綾川のすぐ近くで、豊富な水を活かして育ちます!お米にとってより良い状態になる用、二毛作での野菜の栽培は行わず(余分な肥料、窒素、タンパク質などが残ってしまうため雑味の多い酒になってしまうそう。)作る場合でも麦だけにしてもらうなど、オオセトにとってより良い圃場造りに励んでいます。その分、お米の価格は高くなってしまいますが、より良い酒を造るため徹底しているそうです!(^^)!
田んぼには、山側、川側など複数個所で、お米の生育状態を計測するセンサーが設置されています。このセンサーのデータと、その場所で育てたお米での酒造りのデータを照らし合わせ、来期以降の米作りに活かしているそうです(^^♪
酒名にもなっている「主基(すき)」とは、天皇ご即位式典の大嘗祭(だいじょうさい)に供奉する新穀を栽培する田んぼのこと(^^♪ 蔵の田んぼの近くに主基斎田の記念館があり、
大嘗祭などの伝統文化や、毎年6月のお祭りの様子などを知ることができます(^^)/
そしていよいよ蔵に到着!国重名誉杜氏の名を冠したお酒、国重がお迎えしてくれます(^^♪
さっそく蔵の中へ!蔵は中蔵、西蔵、東蔵の3つの建物で、東蔵が最も古く、有形文化財にも指定されているそうです(^^♪ 7月は酒造りはしていないのですが、造りの順に教えて頂いた事をご紹介させてください(^^)/
水は井戸から汲み上げる仕込み水。鉄も少なく、酒造りに向く水で、綾川に流れ出す手前、地下7、8mから汲んでいます(^^♪ 蔵の中には水道水はなく、すべてこの伏流水で酒造りをするなど豊富な水量で、枯れないようにと、大切にお祀りして使っています(^^)/
秋に収穫したお米は、お隣岡山県、精米技術で有名な新中野工業さんで精米され、蔵に戻ってきます!洗米は少量で少しずつ行います(^^♪
写真左の甑(こしき)で蒸しあげ、写真奥の放冷機で粗熱を取っていきます。
蒸米は麹室へ。基本的には箱で麹を造りますが、
一部のお酒は麹蓋でも麹を造ります(^^♪
酒母室は冷蔵設備の中!速醸タイプの酒母を造ります。
冷蔵庫内の吟醸仕込み部屋。造りの季節以外は貯蔵タンクとしても使われています(^^)/
常温の仕込み蔵。木の柵の下にタンクがあり、水、麹米、掛米を入れて仕込みます(*’▽’)
ひときわ大きな冷蔵庫を開けると、
お酒を搾る装置(ヤブタ)が!2014年の事業継承後、設備投資をして、よりフレッシュな環境でお酒が搾れるようになったそうです!(^^)!
温度管理ができるサーマルの貯蔵タンク。
常温保管のタンクも全てではないですが使用します!
かつては倉庫の中で瓶詰をしていましたが、現在はクリーンルームが整備されました!(^^)!
冷蔵保管室。瓶貯蔵のお酒はここで出荷の時を待ちます(^^♪
冷蔵倉庫の奥の氷温冷蔵庫。主基のさとの生原酒など、生酒を貯蔵しています!
お酒を購入できるスペースもあります!
香川県でのみ流通している国重シリーズの試飲もさせて頂きました(*’▽’) 当店には入荷しませんが、香川県へ旅行の際はぜひお楽しみください(^^)/
来期はオリーブ酵母で12度くらいの夏酒を造る想定とのことで、ぜひ主基のさとブランドでも造って欲しいとお願いをしてきました(^^♪
2014年の事業継承を経て、逆に地元綾川町を大切にした米作り、酒造りを行い、酒造りではみずみずしい酒質を最大限に生かすため、特に搾りから貯蔵の工程で大きな変革を果たしていることがわかりました(^^♪
これからも若松屋酒店は、綾菊酒造さんの伝統と、未来を見据えた酒造りを、応援していきたいと思います(^^)/
酒蔵情報
会社名 | 綾菊酒造(あやきくしゅぞう) |
創立 | 1790年 |
代表取締役 | 岸本健治 |
所在地 | 香川県綾歌郡綾川町山田下3393-1 |
TEL | 087-878-2222 |
FAX | 087-878-1655 |
HP | https://www.ayakiku.com/ |
おまけ1
香川県といえば讃岐うどん!ということで、岸本社長に3店も連れて行って頂きましたm(__)m まずはお酒の〆に高松の「手打ちうどん鶴丸」さんのカレーうどん!
蔵と同じ綾川町の「山越うどん」さん!朝のお勧めは山越うどんさんとのことで、朝食に「かまたま」を頂きました!優しい味わいで朝にぴったりでした(^^)/
お昼ご飯に「本格手打ちうどん はゆか」さん!こちらも蔵と同じ綾川町のお店。コシの強い麺でモチモチ!3店ともまったく違う味わいでびっくりしました(*^^*)
おまけ2
高松駅の繁華街の看板。昔から地元で愛されている銘柄なんだな~と、しみじみ感じました(^^)/