真空ポンプで単式蒸留機の内部の圧力を大気圧以下に下げて行くと、

モロミはより低い温度で沸騰しはじめます。たとえば水は海抜0メートル

の平地では100℃で沸騰しますが、海抜3776メートルの富士山頂では87.4℃

で沸騰しはじめるのは、大気圧が平地の1気圧から空気の薄い富士山頂では

0.63気圧に下がるからです。すなわち減圧蒸留では、蒸留機内部の圧力を大

気圧の十分の一程度まで下げ、モロミの温度が40〜50℃の低温で蒸留できる

ようにしています。
 
 そのため、蒸留中にモロミ成分が熱で分解されることが少なく、焼酎で後留

臭といわれる焦げ臭もつきにくく、また、たとえば油性成分のような沸点の高

い成分は蒸留されにくくなります。したがって減圧蒸留でつくられた製品は、

常圧蒸留のものと比べて風味の軽いタイプのものとなりますが、その反面原料

の特性があまりでておりません。

 本土では、最近のソフト化ムードのなかで、甘藷焼酎を除き減圧製品が穀類

原料の本格焼酎の主流を占めつつありますが、伝統の味にこだわる沖縄の泡盛

は常圧製品を主流としてつくっています。

 常圧製品に比べて減圧製品では、古酒にした時の熟成効果が上がりにくいこ

とも、常圧蒸留にこだわる理由の一つです。

常圧蒸留と減圧蒸留の違いはNO.2